高反発マットレスの真実、プロの寝具屋が大暴露

最終更新:2024年11月10日

高反発マットレスってそもそも何?

私は15年近く、敷き寝具を専門にたくさんのお客様にあらゆるマットレスを案内してきました。ボンネルコイルやポケットコイル、ファイバーや低反発、ラテックスなどの天然ゴムと実に様々な素材が存在するベッドマットレスとここに簡単に挙げるだけでもマットレスの種類は多様です。その中でも私が長年の接客で最も万人におすすめできると感じたのが今回説明する「ウレタンが芯材となる高反発マットレス」です。高反発マットレスは人体の背中の凹凸に合わせて、適切に形状変化しそれを一晩中維持する(体圧分散)性能に優れたマットレスです。

密度

高反発マットレスに最も重要なのはウレタンの密度です。密度が高ければ、人体を一晩中支え上げる短期的な強度と、数年単位で使ってもヘタれない長期的な強度を得られます。3年以上安定して使える高反発マットレスには、最低でも密度30Dが必要です。密度30D以上あるのに、あまりにも安い価格のマットレスには注意してください。ここ最近の円安の影響でウレタン原料は値上がりを続けている現状では、密度のかさ増しやスペックの詐称を疑うべきです。

厚み

高反発マットレスの体圧分散を十分に活かすのであれば、厚み5cm以上が必要です。それ以下の厚みのマットレスでは、人によって底付きしてしまうため、体圧分散性能が著しく損なわれる恐れがあります。もちろん耐久性も下がります。10cmの厚みがあれば、ほとんどの体重の方が満足いく寝心地と耐久性を備えることができます。

反発弾性

低反発マットレスと高反発マットレスを明確に区分けするためのスペックが反発弾性だ。JIS規格においては反発弾性15%以下が低反発マットレス、50%以上が高弾性マットレスと位置付けられています。

しかし、一般的に市場に出回っている高反発マットレスのほとんどは反発弾性50%以下のものばかりなのが現状。密度の高さと40%以上の反発弾性を持ちうる高反発マットレスであれば、いわゆる体圧分散性能に優れ、おしりの部分はしっかりと沈み込み腰のくぼみは逆に押し上げサポートしてくれる理想の寝姿勢が実現できます。

硬さ(反発力)

高反発マットレスの硬さはよくN(ニュートン)で表記されています。しかし、これが高ければ良いマットレスという訳ではありません。あくまでも表面的な寝心地のかたさですので150N~2000Nの間で選んでおけば間違いはないでしょう。

ダンベルで分かる密度の重要性

密度表記のない激安 高反発マットレスと密度30Dの高反発マットレスに、7.5kgのダンベルを置いて一日放置した後の結果が次の画像です。

推定密度25Dにダンベルを置いて放置した画像
¥6,980で販売されている楽天1位を獲得したこともある高反発マットレスは、たった1日で致命的なほど凹んでしまっているのが分かります。このマットレスのサイズと重量から算出される密度は25D程度です。これでは寝具として役立たずと言わざる得ません。

密度30Dにダンベルを置いて放置した画像
密度30Dの第三者証明もある高反発マットレスの場合は、1日経過後にダンベルを外すと一瞬で元の形状に戻ります。置いていた場所が分からなくなるほどの復元力です。

ちなみに7.5kgのダンベルといえば、人間が仰向けに寝た場合に最も圧力がかかる箇所、腰尻部の重量に全く及ばない程度の重量です。腰尻部の一般的な成人の重量は20kg~30kgもあるのです。この腰尻部を寝ている間に支え続けられないならば、腰痛を発症する恐れがあるのも当然です。

結論

高反発マットレスの種類の多さで迷ってしまう人は、まずはグングネルをじっくり60日お試しするのをお勧めします。これまで低反発やコイルマットレス、布団を使っていた人は特にお試しが必要です。絶対身体に違和感あると思うので。

おすすめランキング

長く携わってきた寝具業界の中で、様々な高反発マットレスを身をもって体験してきました。筆者の目から見た高反発マットレスブランドの個人的評価です。
第1位 グングネル
密度36Dで高耐久となっており、3年以上の使用でもヘタれないウレタンを実現している。中のウレタンを直接触ってみるとゴムのような弾力を感じることができる。反発弾性66%は他の高反発と比べても頭二つ抜けているスペックです。この弾力性が、お尻はしっかり凹んで腰のくぼみはしっかり支え上げるレベルの高い体圧分散を発揮。マニフレックスのメッシュウィングよりもスぺックが高くしかも安い。

私も2年ほど使用中。今のところウレタンのヘタりは見受けられない。

グングネルの肝になっている90日返品サービスは、60日使った後の30日が返品期間になっており、送料などの費用を負担せずに返品ができるサービスだ。ゆったり試せてある程度の期間内に返品を希望すれば良いので、ユーザーが気軽に試せる高反発となっている。高反発マットレスでお悩みの方は是非一度試してほしい。



グングネルは商品の種類が少ないのが弱点。現在は三つ折りマットレスしか存在せず、いわゆる一枚もののベッドマットレスや、トッパー系の薄いマットレスなどが存在しない。Amazonのレビューで是非いろんな意見をチェックして欲しい。

オフィシャル
楽天
Yahoo
第2位 ヨーネルコ
ヨーネルコは一部の商品に30日間いつでも返品ができるサービスがついている。返品可能なマットレスは数あれど、返品キットが送ってきてしかも返品送料がかからないサービスは中々ない。高反発マットレスが不安だという人は、まずヨーネルコでじっくり2週間くらい寝てみることをおすすめする。お試しで重要なのは一週間程度で使用をやめてしまわない事だ。身体が慣れる1週間前後の目安が過ぎる前に、自分に合う合わないを判断してしまうと永遠に理想のマットレスに巡り合うことはできない。

ヨーネルコは現在、車(ハイエース)で活躍している。釣りが趣味なので既に3回くらい車中泊しているが、車中泊してるとは思えない寝心地に満足している。


尖った性能がないのが弱点。平均的な高反発マットレスだが、それゆえに特長を見出しにくいマットレスとも言える。楽天のレビューで190件以上4.44の高評価っぷりです。
第3位 マニフレックス
マニフレックスはマットレスに7万~10万お金をかけて睡眠環境をアップさせたいという人向けのブランドであり、安価なメッシュウィングよりも、オクラホマやフラッグFXのようなちょっとだけラグジュアリーなマットレスをお勧めしたい。全国津々浦々の家具屋やインテリアショップでお試しできるというのも大きな強み。

筆者もメッシュウィングからフラッグFXまで様々使用してきたが、メッシュウィングなどの比較的安い商品はグングネルで代用がきく。
第4位 フレアベル
中反発フォームとかいう独自の言葉を作り出し商標までとって採用しているフレアベル。あの「瞬足」などの大人気シューズを開発・販売しているアキレスが製造販売している。芯材が温度調節してくれる?らしいけど、Outlastみたいな微妙なやつかな?当然体感できるほどの温度調節機能はない。構造は高反発と中反発の二層構造。密度や反発弾性は不明の上に厚み10㎝のシングルで38,500円という強気な価格設定。
第5位 エアウィーヴ
エアウィーヴは中の芯材がウレタンではなく、釣り糸を溶かして絡め合わせたような材料を使っている高反発マットレス。なのでウレタンマットレスよりも軽くて通気性が高く洗えるから清潔で、お布団に慣れてる人にとっては有能なベッドマットレスと言える。

但し、ウレタンの高反発マットレスとはまた違った寝心地だし好き嫌いのはっきり分かれるベッドマットレスと言える。元スケートの浅田真央さん、テニスの錦織圭選手、タレントの渡辺直美さんなどが愛用しているらしい。様々な家具屋やデパートで試すことができるというのが強みだ。

多額のブランディング費用が製品に乗っかっているため、耐久性の低さや使ってる素材の安さに対して勇気がいるほど値段が高いというのが大きな欠点だ。また夏の車中に置き去りにしてしまうと溶けてしまうという悲しい出来事も起きてしまう。
第6位 モットン
昔、散々このサイトでこき下ろしたこともあるモットンだが、今はちょっとだけまともな高反発マットレスを生産するブランドになった。

国産を標榜するモットンだが、筆者は純国産なのかどうか非常に懐疑的だ。ウレタンだけ外国から輸入して、セットアップを日本で行うことによって日本製ってことにしてはいないかい?私の手元にあるモットンの側地は、どうみても・・
第7位 ごくみん(GOKUMIN)
個人的に現在最もインチキ度が高いと思っているマットレス。値段の安さで騙されている人が増殖している、私も含めて。第三者機関の証明を提示しなければスペックなんて何とでも騙れるし、ハイスペックを自称した上で価格を安くつければそりゃ売れるよねっていうとてつもなく怪しげな商品。

しかもスペックの販売元:日本(※最近「開発元:日本」に修正されました)って書いてるのは明らかに製造元:日本だと勘違いさせるための悪質な表記。これで寝れる人は正直どんなマットレスでも寝れるんじゃないかと思う。
第8位 ニトリの三つ折り高反発
価格の安さは圧倒的だけど、想定されるスペックもマットレスと呼んでいいものかどうかというレベル。天下のニトリが企画・製造しているとして、あまりにもお粗末な商品である。本当にこのマットレス(と呼べるかも怪しい代物)を使って試して納得したスタッフはいるのだろうか?

高反発マットレスが流行ってるから適当な海外工場でそれっぽいの作って、8,000円の格安価格ってユーザー舐めすぎでしょう。

 

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